メディア・ミックスとクロス・メディアの違いとは?
どのようなメディア(情報伝達媒体)を利用するかを考えるにあたって、「メディア・ミックス」と「クロス・メディア」という、2つのプロモーション策定のアプローチがあります。
従来のマス・マーケティングではターゲットを大きくとらえ、メディアでのプロモーションの役割を「新商品の認知率向上」「理解度向上」といった目的でメディア効率を最大化する発想でした。
しかしAIDEES、AISASなどの消費行動モデルでもわかるように、インターネットでの消費者からの検索や推奨などを意識すると、自動的にクチコミまでどのように行きつくかを考える必要が出てきました。
これは1つの顧客化段階(例:認知なし→認知あり)を目的にした発想のマス・マーケティングから、ある一人のターゲットが顧客化のすべての段階を経てクチコミにまで至るように、想定してメディアを組み合わせることへの変化ととらえられます。
プロモーション目的 | 策定のポイント | 対象商品の特徴 | |
メディア・ミックス | ・ターゲットがあるステップからあるステップへ移動することを想定してメディアカバーを考える。 ・面型のプロモーション 例:新商品の認知率アップ |
・マーケティング目的を「認知向上」などと設定し、そのための最も効率よくカバーするためのメディアの組み合わせを策定する | ・マス・マーケティング中心の商品 ・ターゲット人数が多い商品など |
クロス・メディア | ・新商品の認知率アップ顧客化することを想定してメディア接触を考える ・楔形(くさびがた)のプロモーション 例:新商品のロイヤリティ形成までのプロセスの構築 |
・コア・ターゲットの情報収集をプロセス化し、顧客接点沿ってメディア選択をする。商品のホームページや商品自体も組み込まれて策定される | ・ブランド化を考慮し、クチコミなどが重要と考える商品 ・ターゲットの人数が少ない商品など |
メディア・ミックスに比べ、クロス・メディアでは「すべてのマーケティング活動における顧客接点がそれぞれどういう役割を持つか」を考えるために、新商品自体(パッケージに記載されているメッセージなど)や新商品のホームページ(製法や機能に関するエピソードなど)も考慮します。また、顧客化を想定するためには核となる人物、つまり、クチコミしてほしい理想の顧客であるコア・ターゲットの情報集めの場面が重要となります。