ペーパーレス化が進む現代においても、ビジネスシーンでは封筒を利用する機会は多くあります。
重要な文書やちょっとした挨拶状など、さまざまな用途で封筒が用いられていますね。
封筒には様々な種類があり、色や紙質、さらには特殊加工など、選択肢が豊富なため、どの封筒を選べば良いのか迷うことも少なくありません。
そこで今回は封筒の用紙の種類やその用途、封筒のトレンドや特殊加工についても詳しく解説していきます。
□ 封筒印刷で利用される用紙の種類
封筒印刷を利用する際には、まずは封筒の用紙選びが非常に重要です。
以下に代表的な用紙の特徴を説明します。
*クラフト用紙
クラフト用紙は一般に「茶封筒」として知られており、ビジネス用途はもちろん、官公庁や学校からの封書など、多岐にわたって使用されています。
基本的にクラフト用紙は製造過程において漂白の工程が無いため、環境に優しい用紙として知られています。
近年ではSDGsに積極的に取り組む企業が増えており、クラフト用紙は自然な風合い、ナチュラルなイメージを持つため、エコ意識の高い企業イメージを打ち出すことにも適しています。
*ホワイト用紙
ホワイト用紙には「特白」と「ケント」という2つの種類があります。
その違いは白の色合いで、特白の方が多少青みがかっています。
ホワイト用紙の最大の魅力は「色の再現性」です。
とても発色が良いので、会社ロゴやシンボルカラーを印刷するには最適な用紙です。
表面が滑らかであるため、筆記しやすいのはもちろん、印刷適正にも優れているので公式な文書やビジネスシーンにおいて、ホワイト用紙は非常に人気があります。
*カラー用紙
カラー用紙には「カラークラフト」と「パステルカラー」があります。 カラークラフトはその名の通り、染色されたクラフト紙で、明るい色調が特徴です。
ブルーやオレンジのような濃い色合いが一般的で、郵便物の中でも目に留まる存在になります。
一方、パステルカラーは柔らかい肌触りと穏やかな色合いが特徴で、企業イメージの向上に役立ちます。
会社のイメージカラーに合わせた封筒を選び、その色合いと同系統の色で印刷することで、品よく好印象な封筒に仕上がるのでぜひ実践してみてください。
□ 封筒のサイズと用途について
*角形封筒
角形封筒は、書類や厚みのある冊子を入れる際によく使われます。
ビジネスシーンでの使用が多く、以下のサイズがあります。
・角形1号(定形外) : B4の用紙をそのまま入れられるサイズ。
・角形2号(定形外) : A4の用紙をそのまま入れられるサイズ。
・角形国際A4(定形外) : 角形2号より一周小さく、A4の用紙をそのまま入れられるサイズ。
・角形3号(定形外) : B5の用紙をそのまま入れられるサイズ。
・角形6号(定形外) : A5の用紙をそのまま入れられるサイズ。
・角形8号(定形) : 日本紙幣をそのまま入れられ、B5を横3つ折りにして入れるのに適したサイズ。
このように、角形封筒はビジネス書類や冊子の発送に最適な形状であり、たくさんの種類があるので用途によって大きさを選択することができます。
*長形封筒
長形封筒は、縦長の形状をしています。
請求書や伝票など、一般的に封書として使われることが多いです。
・長形3号(定形):A4サイズの3つ折りが入るサイズ。
・長形4号(定形):B5の3つ折りが入るサイズ。
・長形40号(定形):A4の4つ折りが入るサイズ。
長形封筒は日常的なビジネスシーンに適しており、簡単に内容物を封入できるので、手軽さも魅力の一つです。
*洋形封筒
洋形封筒は、横長の形状をしております、封口が広いため、内容物の取り出しが簡単です。
この形状は、結婚式の招待状やイベント案内状などによく使われます。
洋長には以下のサイズがあります
・洋長3号(定形):A4の3つ折りが入るサイズ。
・洋長2号(定形) : A5サイズの2つ折りが入るサイズ。
洋形封筒は特に印刷物が美しく見えるために、クリエイティブな用途に最適です。
デザイン性を重視したい場合には、洋形封筒も選んで良いでしょう。
□ 封筒の特殊加工と機能性
近年では封筒の役割として、内容物を保護するだけのものではなく、さまざまな特殊加工や機能性を持った封筒も増えてきています。
*プライバシー保護の機能を持つ封筒(透けない封筒)
プライバシーを重視する場合、内容物が見えない「透けない封筒」が役に立ちます。
これらの封筒は、特に個人情報や機密文書を扱う際に非常に便利で、中身が簡単には見えないように加工されているため、セキュリティ面で優れています。
*撥水性がある封筒
雨の日に郵便物が濡れるのを防ぐために、撥水性のある封筒も選択肢の一つです。
このような封筒は、特に気候が不安定な時期に有効で、内容物を水から守る役割があるので、ビジネス文書や重要な通知を郵送する際には、ぜひ追加したい加工機能です。
*eジッパー封筒(ジッパー加工封筒)
当社が提供する「eジッパー」は封筒の使いやすさを飛躍的に向上させた、封筒のフタ部分へのジッパー加工です。
このジッパーミシン加工により、しっかり糊付けされて開けづらかった封筒も、一瞬でラクに開封できるので、受け取手のストレスも軽減され、開封率アップにも繋がります。
特に、いつもべったり糊付けされている請求書や納品書など、ビジネス文書に多く使われるA4資料が入る長3封筒は、ジッパーミシン加工をすることで開けやすい封筒に!
開封しやすい封筒は企業のイメージアップにも効果があります。
*口糊(くちのり)加工の封筒
封筒を簡単かつ確実に封をするための便利な加工が口糊加工です。
口糊の加工には4つのタイプがあります
・アラビア糊:封筒を封じる際に水をつけて封を閉じるタイプです。手軽でコストパフォーマンスが高く、一般的な封筒に多く使われています。
・アドヘア糊:フタ側と胴側の両方にゴム状の接着剤を塗布して乾燥させたものになります。塗布面を押し付けることで接着しますので、剝離紙などのゴミを出さないうえに、封緘の手間を減らすことができます。
・ホットメルト:封入口に糊加工を施し、その上に剥離紙を被せたものになります。剥離紙が糊の塗布範囲よりも大きくなりますので、封緘時にはがしやすいのも特徴の一つです。
・テープ:封入口に両面テープを貼り付けたものになります。 両面テープのため、長期保存に適しており、安定した強い粘着力を保ちます。
口糊加工は、特に大量の郵便物を扱う企業などでは、作業効率アップ、時間短縮にもなります。
封入する際の糊付けの手間がかからず、郵便作業が効率的になるだけでなく、受取人にとっても、とても清潔感のある封筒となるため、企業イメージも向上します。
□ 封筒デザインの重要性
封筒のデザインは、その会社やブランドのイメージを表す大切なものです。
封筒の色や形、封筒に印刷された内容は、受け取った人に強い印象を与えるので、しっかり考えてデザインすることが大切です。
*ブランドイメージの反映
封筒は企業の顔として機能するため、企業のブランドイメージを踏まえてデザインを反映させることが重要です。
色や構成、フォントの選択、企業のロゴなど、すべてが企業のメッセージを伝える要素となります。
公的機関や法律事務所など、信頼性が重視される業種では、シンプルで落ち着いたデザインが好まれます。
*視覚的な影響
封筒を郵便物の中でも目立つ存在にするには、視覚的なインパクトを持つデザインにすることが大切です。
特にカラー封筒や特殊加工が施された封筒は、受け取り手の目を引く効果があります。
また、色の選択によっても人間の感情に影響を与えます。
例えば、青色は信頼感を与え、赤色は緊急性を示すと言われています。
自分の企業イメージに合った色を選ぶようにしましょう。
*封筒の印刷内容
封筒の表面に印刷される内容はとても重要です。
受取人の名前や宛先、メッセージやコピーなど、目にする情報は相手に強い印象を与えます。特に手書きのメッセージや個別ごとのアプローチ、封筒内に特典やプロモーションコードなどの情報を同封することで、受け取り手の興味を引くことができます。
□ 昨今の封筒トレンド市場
近年、メールやメッセージアプリなどデジタルコミュニケーションの普及により、封筒の使用が減少しているとの意見もあります。
しかしそんな中、手書きのメッセージや特別なデザインの封筒は、受け取る側に温かさや特別な心遣いを感じさせることができるツールとして、封筒の重要性はあらためて再認識されています。
デジタル化が進む現代においても、封筒はデジタルとは違った独自の価値を持ち続けているのです。
*手書きの価値
手書きのメッセージや個人に沿ってカスタマイズされた封筒が新たな価値を生んでいます。
デジタル化が進み、直接の人間同士のつながりが減っていく中で、顧客や取引先への感謝の気持ちを表現するために、手書きの手紙を添えることが改めて重要視されているのです。このようなアプローチは他社との差別化、顧客との関係構築に役立ちます。
*カスタマイズの必要性
顧客のニーズは多様化しています。
そんな中、カスタマイズされた封筒が人気を集めています。
ブランドイメージに合わせたデザインや色合い、特別なメッセージを入れることで、より個性的な印象をアピールできます。
カスタマイズ封筒は企業のブランド戦略において重要な要素となっています。
*エコ意識
SDGsや環境への配慮が高まる中、エコフレンドリーな封筒の必要性も増加しています。
再生紙やFSC認証を受けた木材を使用した封筒は、企業の環境意識を示す重要な手段となります。
現代の消費者は環境に優しい選択を求めている傾向があるため、環境に配慮されて製造された封筒はこれからもますます人気が高まります。
以上のように、現代の封筒市場はデジタル化やエコ意識の高まりといったトレンドの影響を受けつつも、新たなニーズや価値を見出しています。
今後も個性的なデザインやカスタマイズ、エコフレンドリーな封筒が注目されるでしょう。
□ まとめ
封筒はただの文書を保護するためのツールではなく、企業イメージを高める重要な媒体です。 クラフト用紙やホワイト用紙、カラー用紙など、用途や目的に応じた用紙選びがビジネスの上でも企業イメージを左右します。
また、角形封筒や長形といった封筒サイズの選択や特殊加工(撥水性、プライバシー保護、ジッパー加工など)は実用性とデザイン性の両面で大きな役割を果たします
さらに、企業のブランディングや顧客との関係構築を考える上で、封筒のカスタマイズやデザインが重要になってきます。
手書きのメッセージやエコ意識を反映させた封筒は、受け取った相手に特別な印象を与え、デジタル化が進む現代でもアナログの良さである心のこもった感情を感じさせることができます。
封筒を選ぶ際には、ビジネス用途や企業のイメージに合った用紙、サイズ、加工を検討し、より効果的なコミュニケーションツールとして活用していくようにしましょう。