生産性を上げる四つのアプローチ

生産性の向上は、企業が生む出せる付加価値を決める重要な経営課題のひとつで、セールスレータで訴求できるポイントともなります。

生産性を上げるための方法には、「成果の最大化」と「投入資源の最小化」というふたの方法があり、さらにそれぞれを達成するための手段として、イノベーション(革新)インプルーブメント(改善)ふたつがあります。

日本では①のコスト削減だけが定着しています。しかし、①のコスト削減だけでなく、②の成果の価値を上げることも、そして改善的な手法だけでなく、③④のイノベーティブな発想や技術を駆使して、大幅な生産性向上を達成することが重要です。

生産性=
付加価値額/投資資源 
方法論(アプローチ)
改善
(インプルーブメント)
革新
(イノベーション)
生産性の向上策 付加価値額(分子)
の増加
③改善により、成果を大きくする
・作業員の研修を行ったり、ベテラン技術者の技を新人に伝授。
・商品のパッケージデザインを変えることで高級感を出して値上げ。
・人気タレントを使ったプロモーションで、いつもは買わない人にアピール。
など(馴染み深い工夫)
④革新により、成果を大きくする
・化学メーカーや素材メーカーが新たな機能を持つ新素材を開発。
・創薬分野でのゲノム解析やiPS細胞といった技術による画期的な商品設計。
・フェイスブックは、ネットを「知り合いだけが見る安全な世界」に変えた。「個人情報の収集の生産性」を大幅に高めた斬新なビジネスモデル。
など(大きなブレークスルー)
投入資源(分母)
の削減
①改善により、投入資源を小さくする
・作業手順の変更したり、無駄な作業を省いたり。
・部品や工具の置き場所変えるなど働く環境を整えて作業効率を上げる。
・グループウエアでコミュニケーションを効率化。
・書類整理法やファイルの共有方法を変更して無駄な作業や重複した書類を減らす。
・エクセルのマクロプログラム、手書きの定型書類をPC入力するといったITの活用。
など(地道な努力)
②革新により、投入資源を小さくする
・ロボットなど大型工作機械の導入による組み立てプロセスの自動化。
・画期的な商品設計により、部品点数や設計図面数を大幅削減するなどの「ビジネスプロセスの再構築」
・インド訛りのない英語を話すインド人の育成により、コールセンターをインドに移管。
・ハブシステム構築による路線数の減少と飛行機の使用効率の大幅な向上。
・日本などの高コスト国では管理部門を持たない「国際分業」
など(大きなインパクト)

 


生産性の向上は、製造現場だけでなく、全ての部門で極めて大切なことを認識する必要があります。

 

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