セリングとマーケティングの違いとは?
セリング(営業、販売)は、顕在ニーズ(今を見た)に応える活動です。セリングは自社(商品)側から売り方を考えていきます。この時、アンケートは、顕在ニーズを確認する有効な手段となります。
一方、マーケティングは、潜在ニーズ(今ではなく未来を見据えた)に応える活動です。お客様側から与える価値を考えていくことが大切です。
セリング | マーケティング | |
起点 | 工場(商品) | 市場(需要、お客) |
焦点 | 既存商品 | 顧客ニーズ・ウォンツ |
作法 | 販売プロモーション | マーケティングミックス |
帰結 | 一回だけの購買 | リピート購買 |
セリングとマーケティングの本質とは?
ドラッカーは、かつて「マーケティングの究極の目的はセリングを不要にすることである」と述べています。これは両者の差異を明確化したものととらえることもできますが、それ以上に効果的効率主義の思想と実践を具現化する経営機能としてマーケティングをとらえていることも示しています。
セリングの機能 | マーケティングの機能 |
売り込み | 売れる仕組みづくり |
アクション中心 | 頭脳中心 |
今日の糧を得る | 明日の糧を準備する |
収穫をする(コスト発想) | 成長の種をまく(投資発想) |
日常業務型 | 未来戦略型 |
今日の効率(output/input)を問う | 明日の効果(市場への適合を問う) |
セリングの本質は、「今日の糧を稼ぐためにアクション中心に顧客に売り込むこと」で、マーケティングの本質的は、「明日の糧を求めて創造的・分析的に売れる仕組みを構築・実行すること」ととらえられることになります。