ニッチ戦略とは?

まだ目をつけられていない小さな新しい市場に早期に乗り込み、限定された市場や技術で、実質的な独占産業を作り出す戦略。小回りの利く中小企業に向いています。

例えば、世界的な大企業のトヨタや日産などの部品において、中小企業はそこでしか作れない部品を扱うことで産業の地位を得ています。

特徴:
・市場全体のトップにはなれないが、部分市場のトップ(ニッチトップ)になれる
・成功するが、一般的に有名になることは少ない
・重要な商品ではなるが、競争者がいないので独占できる

ニッチ戦略には、次の「関所戦略」「専門技術戦略」「専門市場戦略」があります。

Ⅰ.関所戦略

リスクが少なく必要不可欠技術を地道に提供する戦略。

他社にとっては、わざわざそのシェアを奪うほどのうまみもないので、ライバルは少なく安泰なことが多い。

但し、その需要は、自社技術を組み込んだ商品の需要に左右されるので、その市場は常に注目しておく必要があります。

例えば、ハイブリッド車、電気自動車の時代になれば、ガソリン車に使われていたエンジンの主要技術を握っていた会社でも業績は落ち込みます。

①顧客は少ないが、ある場面で不可欠である商品を開発する
②自社だけの独占状態になる
③以降は現状維持。大きな成長は見込めない。

Ⅱ.専門技術戦略

専門技術を武器に、新産業へと切り込む戦略。

例えば、自動車部品なら電子系統だけ、ブレーキ系統だけなどと、特定の技術を軸に事業を限定する戦略です。同じ技術を用いて違う市場を手がけることもあります。但し、その技術に特殊性がなくなるリスクがあります。

①狭くて深い専門技術を持っている
②新産業や新市場などの発展初期のタイミングをキャッチ
③技術を活かした新サービスをいち早く体系づける
④市場での新しい地位を確立する
⑤今後も常に技術の向上に努めることによりポジションを維持

Ⅲ.専門市場戦略

市場の専門知識を武器に、新産業を立ち上げる戦略。

例えば、学校向け、病院向け、業務用など、取引する対象を絞る戦略です。対象とする市場に対して、さまざまな商品を扱うのが一般的です。但し、その市場が大きくなりすぎると、ライバルの参入を許すことになります。

①狭くて深い市場の知識を持っている
②市場の変化により、需要があって手薄な産業を見つける
③その産業でもっとも顧客が満足できる商品をつくる
④新市場として独占的に広まる
⑤今後も常に市場の分析に努めることによりポジションを維持

 


小さい市場を一手に握ろう。但し、取り巻く環境の変化を見過ごすと、大きな損失を招きます。

 

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