ダイレクトメールには通常のハガキタイプや封筒タイプなど、さまざまなものがあります。
その中でも最近よく利用されるものが圧着ハガキを使用したダイレクトメールです。
販促や集客だけではなく、内部に個人情報を隠せる秘匿性の高さから、保険会社や公共料金のお知らせにも使用されます。
今回はこの圧着ハガキのメリットやデメリット、種類についてご紹介します。
圧着ハガキとは?
ハガキをめくって中身を確認できる、展開タイプのハガキです。
圧着ハガキもしくは圧着DMと呼ばれています。
ハガキに印刷した後、圧着したい部分に専用のニスや糊を塗布した後に熱と圧力をかけることで中面が密着します。
ハガキ全体を広げると通常のハガキよりもサイズは大きくなりますが、折りたたむことでハガキよりも多くの情報を掲載できるだけではなく、通常のハガキと同じ料金で郵送が可能です。
載せられる情報が多いのにも関わらず、送料の節約ができるため多くの企業で取り入れられています。
圧着ハガキの種類と使用用途を解説
一口に圧着ハガキや圧着DMといいますが、圧着ハガキにはさまざまな種類があります。
どれも一緒という訳ではなく、形によってそれぞれ適した使い方があるのです。
こちらでは、圧着ハガキの種類や使用用途について解説します。
圧着ハガキの種類
圧着ハガキにはどのようなタイプがあるのか、ご存知でしょうか。
圧着ハガキにはV折り・L折り・Z折り・C折りの4つのタイプがあります。
ハガキの折り方によって載せられる情報量が左右されるため、ダイレクトメールを出す際は折り方に注意してください。
それでは、それぞれの圧着ハガキの種類や特徴について解説します。
V折り圧着ハガキ
V折り圧着ハガキとは、長方形のハガキを2つ折りにしたV型の形状です。
2枚連ねたような半型のハガキの内側に、UVニスや糊をつけて圧着します。
片面は通常のハガキよりもやや短い形状です。
V折りハガキの特徴は、おもに3つあります。
- 通常のハガキより多くの情報を掲載できる
- 通常ハガキよりも秘匿性がある
- 輸送コストを抑えられる
また、V折り圧着ハガキは次の目的で使用が可能です。
- ダイレクトメール
- クーポン案内
- 請求書や領収書
- 口座引き落とし案内
- ご利用明細
- 督促状や未納通知
- 会員登録情報
- 往復はがき
最近ではV折りハガキの中にQRコードが印字されているものもあり、各企業の特設サイトに誘導するものもあります。
L折り圧着ハガキ
L折り圧着ハガキとは、往復はがきの片面のみがV折り圧着されたものです。
往信用と返信用に分かれており、往信面が圧着され展開すると6面になります。
L折り圧着ハガキの特徴は、2つです。
- 1つのハガキでより多くの情報を掲載できる
- 往復はがきと同じ値段で送れる
通常の往復はがきは4面に対し、L折り往復はがきは6面です。
通常サイズよりも多くの情報を掲載できます。
尚且つ、通常の第二種郵便物の往復はがきと同じ金額で郵送できるため、コスト面も魅力的です。
Z折り圧着ハガキ
Z折り圧着ハガキとは、アルファベットのZのような形状のように閉じられたハガキです。
ハガキの内側を専用のニスや糊付けされており、N折り圧着ハガキとも呼ばれています。
圧着ハガキの中でも、V折りに次いで多く使われています。
ZハガキはVハガキより1面多いため、その分多くの情報の掲載が可能です。
情報量が増えても通常のハガキと同じ送料で送れるので、コストパフォーマンス的にも魅力があります。
Z折り圧着ハガキの使用用途は次の通りです。
- ダイレクトメール
- クーポン案内
- 請求書や領収書
- 口座引き落とし案内
- ご利用明細
- 督促状や未納通知
- 会員登録情報
- 往復はがき
Z折りハガキの中にもQRコードが印字されている物が多くあり、そこから特設サイトにアクセスできます。
C折り(観音折り)圧着ハガキ
C折り圧着ハガキとは、内側に三つ折りされた形で、観音折りともいわれています。
必要な情報をコンパクトに載せられるため、ダイレクトメールやリーフレット、ポスティング用チラシに適しているでしょう。
圧着ハガキのメリットとは?
圧着ハガキには6つのメリットがあります。
- 掲載する情報量を増やせる
- 郵送コストがカットできる
- プライバシーの保護ができる
- 高い開封率が期待できる
- ハサミを使わずとも開封できる
- 早く届けることができる
こちらでは、それぞれのメリットについて解説します。
掲載する情報量を増やせる
通常のハガキの場合、表は宛先のため裏面しか情報を記載できません。
たくさんの情報をお客様に伝えたくても、限られた量しか掲載できません。
一方、圧着ハガキにすることで、通常のハガキと同じサイズで情報量は2~3倍掲載できます。
つまりハガキ2~3枚分の情報を圧着ハガキ1枚分で完了することから、たくさんの情報を掲載できるため、多くの企業では圧着ハガキが利用されています。
郵送コストのカットができる
例えば定番のV折りハガキに掲載されている情報量を顧客に届けたい場合、通常のハガキを2枚分用意しなければいけません。
ハガキ1枚の送料が63円のため、2枚分の送料を支払う必要があります。
一方圧着ハガキにすれば、ハガキ2〜3枚分の情報量を折りたたんで配送できるので、1枚分の送料で顧客に情報を届けられます。
情報量にあまり差がない封書にした場合、封入作業が必要です。
こちらは量が多ければ多いほど作業が大変で、尚且つ人件費もかかるでしょう。
しかし圧着ハガキにすれば封入作業はなく、業者に依頼するだけなのでコストカットにつながります。
プライバシーの保護ができる
通常ハガキの場合、裏面に必要な情報を記載する形となります。
配送する際中身が分かってしまいますし、場合によっては第三者にその情報を見られ、悪用される可能性も高いです。
圧着ハガキは内側を専用のニスや糊を使って圧着するため、開封しない限り中に記載された情報を見られることはありません。
尚且つこの圧着ハガキは一度剥がすと再び圧着することができず、自分以外の第三者がそのハガキを開封したことがわかります。
セキュリティの保護が高く、主に利用明細など秘匿性が高い郵便物に使用されます。
高い開封率が期待できる
ダイレクトメールを送った後、最初の難関は開封してもらえるかです。
どんなに内容が良いものでも、開封してもらえなければ意味はありません。
ハガキで送っても中身を確認しないまま、捨てる方もいるでしょう。
しかし圧着ハガキにすることで、開封率は高くなります。
隠されているものをつい見たくなるのが、人間の心理で、それを利用したものが圧着ハガキを使ったダイレクトメールです。
めくるデザインを工夫すれば、より一層高い開封率が見込めるでしょう。
ハサミを使わずとも開封ができる
封書でダイレクトメールを送った場合、開封するのにはさみやカッターが必要です。
手元にハサミやカッターがなければすぐに開封できず、後で開けようと思いそのまま置かれたままになるか、もしくは開封されることなく捨てられる可能性もあります。
圧着ハガキなら開封方法はめくるだけと簡単で、ハサミやカッターは不要です。
面倒ごとを省けば、開封率も上がるでしょう。
早く届けることができる
封書での配送の場合、封筒に必要な情報を封入して閉じるまでが一連の流れです。
しかしその場合、お客様の元に届くまで時間がかかります。
一方、圧着ハガキはたくさんの情報を掲載できるだけではなく、封書と違い封入や投函といった作業がありません、
封書に起こりうる封入間違いも防ぐことが可能です。
圧着ハガキのデメリットとは?
一見便利そうな圧着ハガキですが、3つのデメリットがあります。
- 雨水に弱い
- 長期保存は難しい
- 郵便法の確認が必要
構造上の問題や法的な側面など、圧着ハガキならではの弱点があります。
圧着ハガキの発行を依頼する方は、次のことに注意をしてください。
雨水に弱い
圧着ハガキや圧着ダイレクトメールは雨水に弱く、水や湿気によって表面に付着している糊やニスが剥がたり、固まったりして適切に開封できなくなります。
水に濡れたままの状態で無理やりめくると、印字された面ごと剥がれてしまう可能性が高いです。
万が一ハガキが濡れてしまったら、しっかりハガキを乾燥させてから開きましょう。
外部業者に圧着ハガキや圧着ダイレクトメールの印刷や発行を依頼する場合は、ダイレクトメールの取扱いに慣れているところを選びましょう。
長期保管は難しい
圧着ハガキや圧着ダイレクトメールの接着面には専用のニスや糊、PPフィルムが使用されています。
これらの素材はデリケートで、雨風や熱など環境要因を除いても時間と共に劣化していくため、長期保存には適していません。
外部業者へ依頼する場合、まとめて発注したほうが1枚辺りの単価が安くなるので、まとめて発注される企業もいるでしょう。
しかし、長期保存して必要な時に配送するといった方法は、圧着ハガキが使用できなくなる可能性があり、おすすめできません。
1枚辺りの単価が高くなりますが、必要な枚数を発注するようにしましょう。
郵便法の確認が必要
圧着ハガキや圧着ダイレクトメールを郵送する場合、郵便法の規定を守らなければいけません。
通常の第二種郵便物として配送する場合は、圧着ハガキやダイレクトメールを折りたたんだ状態で通常のハガキと同じサイズや重量である必要があります。
そしてハガキ本体も「郵便はがき」あるいは「POST CARD」の表記が必要です。
この表記がない場合、第二種郵便物ではなく封書と同じ第一種郵便物と同じ扱いになります。
万が一配送料が不足した場合、次のことが起こります。
- 配達前に差出人へ返送
- 受取人においての不足額支払い
- 受取人不在もしくは不足額支払い拒否による差出人への返送
配達前に差出人へ返送ならまだしも、顧客側に不足額が請求となるとクレームになる可能性が高いです。
こうした状態にならないためにも、サイズや重量、郵便はがきかPOST CARDの表記がきちんとあるか確認してください。
圧着加工の種類とは?
圧着加工とは、はがきや封書を圧着する際に行う加工方法です。
おもな圧着方法は5種類です。
- 先糊圧着
- 後糊圧着
- UVニス圧着
- フィルム圧着
- ふち糊圧着
こちらでは、それぞれの特徴について解説します。
先糊圧着
先糊圧着とは、あらかじめ糊が付いた専用の紙に印字もしくは印刷し、圧着加圧する方法です。
先糊圧着の特徴は次の3つです。
- 圧着力が強いため請求書やカード利用書に適している
- 圧着面の光沢が少なく、写真を多用した見た目重視のダイレクトメールには不向き
- 低コストなため大量印刷に適している
圧着方法としては、ポピュラーな方法です。
開封後の圧着面にペンで書き込みもできます。
後糊圧着
後糊圧着とは、印字や印刷をした普通紙に糊をつけて圧着加工する方法です。
後糊圧着の特徴は2つあります。
- 先糊圧着より光沢があるため、印刷の自由度が高くカラー印刷も可能
- 低コストではあるが、専用設備が必要なため印刷業者への依頼が必要
先糊圧着と同様、後糊圧着も秘匿性が高く、開封したときの圧着面に書き込めるメリットがあります。
広告内容を印刷してから糊をつけるので、粘着力が安定しやすいです。
UVニス圧着
UVニス圧着とは、印字や印刷した普通紙にUVニスを塗布して熱圧着する方法となります。
UVニス圧着の特徴は次の3つです。
- 光沢に優れており、フルカラー印刷を多用するのに適している
- 接着力が弱く、個人情報を含む秘匿性の高い通知には不向き
- 低コストなため大量印刷に適している
また、UVニス独特のにおいがするので、長期保存には適していません。
フィルム圧着
別名PP熱圧着と呼び、印字や印刷した普通紙の接着面にラミネートフィルムをはさみ、熱圧着する方法です。
フィルム圧着の特徴は次の3つです。
- 光沢に優れ、高級感のある見た目に仕上げたいときに適している
- 圧着力が弱いため、秘匿性の高い通知には不向き
- 大量発注する場合は割高になる
光沢があるだけではなく、破れにくくなります。
ふち糊圧着
ふち糊圧着とはハガキのふちに糊をつけ、圧着加工します。
ふち糊圧着の特徴は次の3つです。
- 圧着面のコーティングが不要で、印刷の色味や紙の質感を活かせる
- 光沢感は劣るが、圧着面に書き込みができる
- 低コストで短納期だが郵送は封書扱い
他の圧着方法のように「完全圧着」ではないので、封書扱いになってしまいます。
圧着ハガキの郵送料は?
圧着ハガキを郵送する際、圧着された状態のサイズと重さによって郵送料が異なります。
圧着ハガキの郵送料は次の通りです。
サイズ |
重量制限 |
郵便料金 |
|
圧着ハガキ V型・Z型 (第二種郵便物) |
幅:90~107mm 天地:140~154mm |
2~6g |
63円 |
往復圧着ハガキ (第二種郵便物) |
幅:90~107mm 天地:140~154mm |
4~12g |
63円 |
ふち糊圧着ハガキ等 (定形郵便物) |
幅:90~120mm 天地:140~235mm |
25g以内 |
84円 |
圧着ハガキを郵送する際は、サイズや重さによって料金が変わるので、注意をしてください。
まとめ
専用のニスや糊でしっかりと接着された圧着ハガキは、通常のハガキよりも秘匿性が高いため、企業だけではなく公的機関でも利用されています。
圧着ハガキの制作に強い印刷業者に依頼すれば、制作から投函まですべて行ってくれるでしょう。
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